質問が漠然としているからです。
つまり、”魚がよく釣れる釣り座を言っているのか”あるいは”釣りやすい釣り座を言っているのか”、”船酔いしにくい釣り座を言っているのか”がはっきりしないからです。
1つずつ説明させていただく前に、船の釣り座について知っておくべきことがあります。
はじめに、下の図をご覧ください。
図1 図2
図1も図2も、船の進行方向は上です。
左側を「左舷」、右側を「右舷」と言います。
船の進行方向側を「ミヨシ」、船のお尻の方を「トモ」と言います。
〜の番号は船の釣り座を指しています。
は竿を横へ出して釣ります。
は竿を図の下側(船の進行方向とは反対側)に出して釣ります。
図1と図2の違いは、潮の流れる方向だけです。
まず、ここまでおわかりいただけると思います。
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はじめにご理解いただきたいのは、今から説明させていただくのは私の経験に基づくものであり、一般論ではありません。
もちろん、一般論に限りなく近くなる可能性もあります。
では、具体的に”魚がよく釣れる釣り座”はどこかについて説明させていただきます。
結論から言って、必ずよく釣れるという釣り座はありません。
そのような釣り座が決まっているのなら、最初から釣り座によって釣果がすべてわかることになってしまいます。
釣れるか、釣れないかがわからないのも、釣りの醍醐味の1つだと思います。
それなら、どこの釣り座でも同じなのかというとそうではありません。
必ずよく釣れる釣り座はありませんが、釣れる可能性が高い釣り座はあります。
しかも、対象魚により若干異なります。
この表は、対象魚ごとの私が選ぶであろう釣り座の番号を示したものです。
マダイ・イサキ
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図1 か → か → か の順で釣り座を選びます。
マダイ釣りはやっぱりトモです。空いているのなら、逆潮でなければ狙いましょう。図2で、「なぜ → の順なの?」と思われた方もおられるでしょう。 は潮の流れから、仕掛けが船底に入って非常に釣りにくくなるからです。 |
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アジ |
図1 か → か → か の順で釣り座を選びます。
アジは、満遍なくどの釣り座でも釣れます。あまり釣り座にこだわらなくてもよいと思います。図2で、「なぜ → の順なの?」と思われた方もおられるでしょう。 は潮の流れから、仕掛けが船底に入って非常に釣りにくくなるからです。 |
ハマチ〜ブリ・ヒラマサ・メダイ |
図1 か → か → か の順で釣り座を選びます。
ハマチ〜ブリ・ヒラマサ・メダイは回遊魚です。マダイと同じ順で選んでも構わないと思うのですが、ミヨシでよく釣れるという私の印象の高さからこの順にしました。完全ふかせ釣りならマダイの釣り座の順がおすすめです。図2で、「なぜ → の順なの?」と思われた方もおられるでしょう。 は潮の流れから、仕掛けが船底に入って非常に釣りにくくなるからです。 |
マイカ・スルメイカ・タルイカ |
図1 か → か → か の順で釣り座を選びます。
私の中では、トモ(船の進行方向と反対側)でイカ釣りはしません。トモでされる船長もおられるようですが・・・。もちろんトモの釣り座で横側に竿を出すのであれば、OKです。マイカ・スルメイカ共に、満遍なくどの釣り座でも釣れます。あまり釣り座にこだわらなくてもよいと思います。 |
大前提として魚は潮に逆らって泳いでいます。
なので潮上から流れてくるエサを食べます。
そのように考えると、逆潮でない限り、トモが一番よく釣れる可能性が高い釣り座ということになります。
青物などの回遊魚は、トモもよいのですが、ミヨシもよく釣れます。
ミヨシの方がいいこともよくあります。
マダイなどと違って、回遊するからでしょうか?
ある船長も、青物釣りはミヨシがよいとおっしゃられていました。
逆潮なら、理論上はトモとミヨシが反対になります。
しかし、潮の流れる向きや速さ、風向き、対象魚、釣り方などいろいろな要素により、どの釣り座がよく釣れる可能性が高いのかは変ってきます。
実際、魚の機嫌次第と言わざるを得ないような釣果の時もあります。
トモで釣っている人だけが、坊主の時もあります。
釣り座を選べるのなら、上記の表の順で釣り座を選ばれると失敗が少ないように思います。
ご参考までに。
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